不動産の教科書

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小規模宅地の節税が横行??

 

 

相続税は多くの方にとっても他人ごとはありません。

 

 小規模宅地等の特例を利用された方も多いのではないでしょうか?

 

 

東京の不動産価格は高いため、この特例を受けないと『相続税が高くて払えない』という方も出てくるでしょう。

 

 

会計検査院は、相続した土地・建物を相続税の申告期限後3年以内に譲渡したうち、2014、15年に譲渡した2907人を抽出して調査。このうち243人が273件(課税価格計約165億円)で、特例の適用を受け、計約63億円を軽減されていた。

ところが、273件のうち163件が申告期限後、1年以内に譲渡され、このうち22件は1か月以内だった。

「小規模宅地」節税横行か…適用1年内に譲渡

 

 

 

 

会計検査委員がこの小規模宅地の特例の利用状況を問題視していて、今後は小規模宅地等の特例が改正されるかもしれません。

 

 

小規模宅地の特例は昭和58年に創設され、今まで何度も改正されてきました。

 

 

会計検査院とは

国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する職責を果たしています。

 

 

2907人の中で273件しか特例の活用を受けてないってことを考えると、

小規模宅地の特例の適用を受けてる人は思ったよりも少ないと感じてしまいます。

 

約10人に1人の割合です。

 

 

 

・親が亡くなったので、単純に住み替える

 

上記のような理由ならば短期間で譲渡したとしても良いかと思いますが、

 

下記のような理由ならば問題だと思います。

 

・別のところに住居をかまえておきながら、住所変更はせず小規模宅地などの特例を受けている

・相続人が事業を継承するつもりもなく、また継承している実態も無く、事業用の宅地等の特例を受けている

 

 

 

会計検査院は、『事業又は居住の継続への配慮という小規模宅地等の特例の政策目的』に沿ったものではないとして、問題視してるわけです。

 

 

相続してから短期間で譲渡した273件のうち、一番多いパターンが貸付事業用宅地です。

 

 

あくまでも推測ですが

 

 

被相続人が相続対策で収益物件を購入して、息子等の相続人が相続後に収益物件を売却することで、小規模宅地等の特例の恩恵を受けている方は多いと思います。

 

最近では、タワーマンション購入による節税対策が問題視されていました。

このパターンでも、小規模宅地等の特例を利用してから売却する方々は多いでしょう。

 

 

 

 でも、相続税対策をする方にとっては、小規模宅地等の特例は一番活用しなければいけない特例です。

 

 

ただでさえ、相続税の基礎控除の額は27年1月1日に大きく減額されていますからね。

 

5000万円+(法定相続人の数×1000万円)

 

から

 

3000万円+(法定相続人の数×600万円)

 

 

 

26年度に比べて27年度の相続税は、課税される人数や金額も1.5倍から2倍に増えています。